ZETA DIVISION所属の選手及びストリーマーに関するご報告
この度、当チーム所属の選手及びストリーマーが、ゲームの公正性を損なうプレイに関与していることが発覚したため、調査結果を次のとおりご報告します。
1. 事案の概要
当チーム所属の選手・ストリーマーのうち、以下の者が、Riot Games社のタイトル「VALORANT」において、それぞれ以下の行為を行ったことが判明しました。
(1) 夏代孝明(ストリーマー)
21年7月9日、知人プレイヤーのゲームアカウントのゲーム内ランクを上げるため、本来は上位ランクであるにもかかわらず本来の実力よりも低いランクのアカウントを使用し、コンペティティブマッチをプレイした。また、その際に、低いランクのアカウントを保有しないtakej選手に対して、同じくコンペティティブマッチをプレイするように促すとともに、自らが普段使用していないアカウントを一時的に使用させ、コンペティティブマッチを数試合プレイした。
(2) takej 選手(VALORANT部門)
21年7月9日、夏代孝明、当チーム所属ではない他の知人プレイヤーと、自らが低いランクのアカウントを保有していないにもかかわらず、提案を受けて、夏代孝明の別のサブアカウント※1を一時的に使用し、コンペティティブマッチを数試合、一緒にプレイした。
※1 10月1日14:08 アカウント→別のサブアカウントに修正
2. 調査の経過
2021年9月29日、当チーム運営陣は、当チーム所属者がゲームの公正性を損なうプレイに関与した疑いを示唆する第三者のSNS投稿において、当チームの所属選手・ストリーマーが関与している疑いを持ったため、速やかに関係者への事実確認、聞き取り調査を開始しました。
その結果、上記1.の事実関係が認められました。また、夏代孝明及びtakej選手にもこれらの事実関係を確認した結果、内容が事実であることを確認しました。
3. 当チームの判断
判明した事情を踏まえ、Riot Games社にも事情を報告し、対応を協議した結果、当チームとして、夏代孝明及びtakej選手の何れについても、Riot Games社の定めるサービス利用規約に違反し、また、ゲームの公正性を損なうプレイに関与していたと認められると判断しました。
4. 処分について
(1) 当チームの規律
我々ZETA DIVISIONは、eスポーツシーンをリードしようとする1つのチームであると同時に、ゲーミングカルチャーをリードするGAMING ORGANIZATIONでもあります。そのため、競技における不正行為やゲームの利用規約に抵触する行為はもちろんのこと、ゲームのプレイにおいて、公正性を損なわせるようなプレイやモラルに欠ける行為の全般についても、選手契約やストリーマー契約において一律に禁止し、これらの行為に厳しい姿勢をもって対処しております。
しかしながら、今回の事案は、そのような姿勢にもとるものであり、本件選手らの置かれた状況や今回の事案に至った背景を勘案しても、当チームとして看過することはできないものとの結論に至りました。
(2) 夏代孝明への処分
夏代孝明は、自らが高ランクであるにもかかわらず、知人のゲーム内ランクを上げようとする行為に関与し、また、そのために普段使用していないアカウントであったにせよ自らのアカウントを他人に一時的に使用させていたことが認められました。
もっとも、当チームが調査した範囲においては、今回の事案が不公正なプレイにあたるということについての認識が十分にはなかった点や、本人が真摯に反省を述べていることを考慮し、「今後3か月の間、同人の契約報酬をカットするとともに、ゲームストリーマーとしての活動(配信活動、イベントや大会等への出演を含みます)を停止し、並びにSNSにおけるゲームストリーマーとしての発信行為を自粛するよう命じる」ことといたしました。
なお、上記処分に伴い、夏代孝明より、VALORANTにおいて保有しているゲーム内アカウントをすべて削除し、新しいアカウントを作って開示したいとの申し出があり、これを了承しています。
(3) takej選手への処分
takej選手は、他人のアカウントを一時的に使用し、ゲーム内ランクを上げるためのコンペティティブマッチに協力したことが認められました。
takej選手は、当チーム所属ではない他の知人プレイヤーのゲーム内ランクを上げるためのコンペティティブマッチに協力したこと、知人プレイヤーのメインアカウントとプレイするために、takej本人所有アカウントのランク帯が合わないことから、夏代孝明所有のサブアカウントをtakejが一時的に使用したことが認められました。
なお、その際に利用した夏代孝明所有のサブアカウントは、通常使用されていたアカウントではなかったこと、及び、当該コンペティティブマッチの目的が夏代孝明所有のサブアカウントのゲーム内ランクを上げることではなく、その知人のアカウントのゲーム内ランクを上げることが目的であったことから、当チームとしては、takej選手が夏代孝明のサブアカウントを一時的に使用した行為は、その他のパーティーメンバーのランクを上げることを企図したものであり、夏代孝明のサブアカウント自体のランクを上げること(いわゆるアカウントの代行行為)を企図したものではないと判断しています。※2
※2 10月1日15:40 追記・修正
これらの行為は、takej選手が自ら進んで行ったわけではないことが認められるものの、takej選手が、VALORANTというタイトルにおいて、競技シーンをリードし、公正性を確保する重要な責務にあることから、その責任はより重いものであるべきと考えました。そのため、同人が真摯に反省の弁を述べていることを踏まえても、このような行為に及んだことについては、厳重に対処すべきと判断しました。そこで、「今後3か月の間、同人の契約報酬をカットするとともに、選手としての活動(配信活動、イベントや大会等への出演を含みます)を停止し、並びにSNSにおける発信行為を自粛するよう命じる」ことといたしました。
なお、takej選手がTwitterのサブアカウントより投稿した、「自身が過去にブースト行為をしていた」旨のツイートについても、事実関係を確認しましたが、当該ツイートは、別のゲームタイトル(CS:GO)のマッチメイキング(ランクマッチ)においてランクが離れているプレイヤーとプレイしたことを指していたものと判明しました。CS:GOのマッチメイキングはランクが離れたプレイヤーとのプレイが可能な仕様であり、かつ規約上も問題のない行為であるため、当チームとしては、本行為自体は処分の対象にはあたらないと判断しました。
しかしながら、公正性を損なうプレイとされているブースト行為に言及し、不要な誤解を招いたことに対しては、プロ選手のSNS運用としてふさわしい行為とはいえないため、厳重注意および当該Twitterサブアカウントは削除することといたしました。
5. 今後の対応
上記4.の処分に伴い、夏代孝明及びtakej選手の両名については、活動停止期間中に予定していたゲーム関連イベント・試合について全ての出場・出演を辞退することとします。
当チームとしては、今回の事案を招いた一因は、当チームの管理不足にもあるものと考えております。そこで、今後の対応として、顧問弁護士とも相談の上で、選手・ストリーマーのゲームアカウントに関する詳細な管理ポリシーを設定し、選手・ストリーマーのモラル違反行為が再発しないような管理体制を整えるとともに、違反行為の詳細なルール化を行い、再発防止に全力で取り組むことをお約束いたします。また、これらの管理体制の運用状況について、定期的な弁護士その他の第三者による検証を実施してまいります。
6. 最後に
この度は、ZETA DIVISIONを応援してくださるファンの皆様をはじめ、各位に大変にご迷惑をおかけしたことを、心より深くお詫び申し上げます。
とりわけ、当チームの所属選手・ストリーマーが関与したコンペティティブマッチにおいて、公正性が損なわれた状態で対戦に参加された当事者の皆様において不快な体験をさせてしまい、ゲーム体験を損ねてしまったことについて、責任を痛感するとともに、重ねてお詫び申し上げます。
今後も、ゲーミングカルチャーをリードしていくべき組織として、再発防止に尽力してまいります。