
「東京大学 中澤研究室」との共同研究開始のお知らせ
プロeスポーツチーム『ZETA DIVISION』は2026年4月1日より東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系 中澤研究室と共同研究を開始いたします。
本研究は「ZETA DIVISION」所属選手協力のもと実施し、プロeスポーツ選手のパフォーマンス向上および選手寿命の延伸を目指し、人間の反射神経・認知機能・運動制御の限界値を科学的に検証・拡張していくための実証研究です。
■ 研究の背景と目的
eスポーツは高度な反応速度、認知処理能力、精緻な運動制御、そして長時間にわたる集中力を必要とする競技です。eスポーツのトッププロ選手は、150〜200ms未満の反応時間、極限状況下での高速意思決定、サブミリ秒単位の入力精度といった、人間の神経・認知能力の限界に近い領域で競技を行っています。一方で、トップレベルでの競技継続には身体的・心理的・神経生理学的負荷の蓄積やパフォーマンスの波が課題となっています。
選手たちが心身ともに健康で、1日でも長く世界のトップレベルで戦い続けられる環境を創るため、本研究では以下を主軸とします。
- 神経・運動機能データに基づくパフォーマンス分析
- パフォーマンスの「再現性・安定性」の可視化
- コンディショニングおよびトレーニング手法の科学的最適化
- 選手寿命の延伸を見据えた長期的身体・心理・神経管理モデルの構築
さらに、本研究成果は従来のフィジカルスポーツ分野における競技力向上・神経リハビリテーション研究への応用も視野に入れています。eスポーツを通じて得られる高精度なデータは、スポーツ科学全体への新たな知見を提供する可能性を有しています。
■ 研究体制
本研究には、所属選手数が70名を超える「ZETA DIVISION」が全面協力し、実競技データと身体データの取得・検証を行います。特に本発表にあたり、STREET FIGHTER部門より以下の2選手が参加いたします。研究参加選手は随時増加予定です。
STREET FIGHTER部門
- ももち
長きにわたりeスポーツ界の最前線で戦い続け、経験と緻密な理論で格闘ゲーム界を牽引するレジェンド。
- ひぐち
若くして国内大会優勝経験をもつ、圧倒的な反応速度と精密な入力を武器に次世代を担うトッププレイヤー。

写真左から: GANYMEDE株式会社 Daniel Cao, 東京大学 中澤教授、ZETA DIVISION STREET FIGHTER部門 ひぐち、ももち
※他部門の選手も順次研究協力予定。
■共同研究開始に向けコメント
■東京大学中澤研究室 中澤 公孝 教授
「esportsは私たちにとってたいへん魅力的な研究対象です。今回の連携によって、スポーツのニューロサイエンス研究がますます進展するとともに、その成果がesports現場のみならず、高齢者、障がいがある人、アスリートなど、多様な特性を有する人々のwell-beingに貢献できるものになることが期待されます。」
■GANYMEDE株式会社 CEO 西原 大輔
「eスポーツは知的かつ身体的な高度競技です。今回、世界最先端の研究機関のひとつである東京大学中澤研究室と連携できることを大変光栄に思います。本研究を通じて、選手の可能性を科学的に最大化し、日本から世界へ新たな競技基準を提示していきます。」
■GANYMEDE株式会社 Global CSO Daniel Cao
「競技力の向上だけでなく、選手のキャリアをいかに持続可能なものにするかが重要なテーマです。本研究は、eスポーツを単なる『カルチャー』から『科学的競技領域』へと進化させる挑戦でもあります。長期的視点で世界基準のパフォーマンスモデルを構築していきます。」
■ 「中澤研究室」について

東京大学中澤研究室(Nakazawa Sports & Neurorehabilitation Laboratory)は、神経科学・運動制御・スポーツ科学・神経リハビリテーション分野を横断し、身体運動と脳機能の相互作用を研究する最先端研究拠点です。現在は障がい者のニューロリハビリテーションやアスリートのトレーニング、高齢者や障害者の健康・体力維持を目的としたトレーニングなど、広く臨床応用につながる基礎理論の構築に貢献することを目的とした研究を行っています。具体的には、運動刺激に対する神経筋の適応に関する研究、人間固有の基本的な運動である直立二足歩行・直立姿勢維持やスポーツ・演奏スキルなど、これらを実現する神経メカニズムに関する研究が中心となります。研究手法としては、実際に人間を対象とするため、電気生理学的計測 、筋電図、末梢電気刺激、経頭蓋磁気刺激や脳(活動)画像化技術や、モーションキャプチャーシステムを用いた動作解析を主に使用しています。